Ionic Reactクイックスタート
Ionic Frameworkとは
まず、ここに来たばかりの人を歓迎します!Ionic Frameworkは、 iOS, Android, Electron, Web上で動作するアプリを構築するための、無償でオープンソースのコンポーネントライブラリです。使い慣れたテクノロジ(HTML、CSS、JavaScript)を使用してアプリケーションを一度作成したら、任意のプラットフォームに展開することができます。
UIコンポーネントに加えて、Ionic Frameworkは新しいアプリを作るためのコマンドラインツールを提供し、サポートしている様々なプラットフォームにデプロイすることができます。
このガイドでは、Ionic Framework特有の機能を含め、ReactとIonic Frameworkの基本について説明します。Reactに精通している方は、ガイドを楽しみ、Ionic Frameworkについて新しいことを学んでください。どちらにも詳しくない方はご安心ください!このガイドでは、基本的なことを説明し、アプリケーションを起動して実行するのに十分な情報を提供します。
Ionic CLIを使ったプロジェクト新規作成
はじめに、Ionic CLIの最新版をインストールしましょう。
npm install -g @ionic/cli
これによって使えるようになった、グローバルコマンド ionic
によって、Ionic Frameworkと他の依存関係を持つReactプロジェクトを作成することができます。新しいプロジェクトを作成するには、次のコマンドを実行します。
ionic start myApp blank --type=react
cd myApp
これで、 ionic serve
を実行することによって、プロジェクトをブラウザで実行することができます。
Reactコンポーネントの確認
アプリケーションのベースは src
ディレクトリにあり、メインのエントリポイントは index.tsx
になります。エディタでプロジェクトを開き、index.tsx
を確認すると、次のように表示されます:
import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
import App from './App';
ReactDOM.render(<App />, document.getElementById('root'));
ここでは何が処理されてるでしょう。最初の3行はいくつかの依存関係をimportしています。1つ目はReact自身です。これにより、JSXと呼ばれるHTMLに似た構文でコンポーネントを記述できるようになります。JSXについては後ほど説明します。
2番目のimportはReactDOMです。 ReactDOM.render
メソッドは、コンポーネントを取得し、指定されたDOMノードにレンダリングするためのbrowser/DOM固有の方法です。
最後のインポートは、単純に App
という名前のアプリケーションのルートコンポーネントです。これは私たちの最初のReactコンポーネントであり、Reactアプリの起動処理で使用されます。
App.tsx
を開くと、以下のコードが確認できます。
import React from 'react';
import { Route } from 'react-router-dom';
import { IonApp, IonRouterOutlet } from '@ionic/react';
import { IonReactRouter } from '@ionic/react-router';
import Home from './pages/Home';
/* Core CSS required for Ionic components to work properly */
import '@ionic/react/css/core.css';
const App: React.FC = () => (
<IonApp>
<IonReactRouter>
<IonRouterOutlet>
<Route path="/home" component={Home} exact={true} />
<Route exact path="/" render={() => <Redirect to="/home" />} />
</IonRouterOutlet>
</IonReactRouter>
</IonApp>
);
一見、多くのことが起こっているように見えるかもしれないので、最初のimportからみていきましょう。
import React from 'react';
import { Route } from 'react-router-dom';
import { IonApp, IonRouterOutlet } from '@ionic/react';
import { IonReactRouter } from '@ionic/react-router';
import Home from './pages/Home';
index.tsx
に似ていますが、まずReactをインポートしてJSXを使用できるようにする必要があります。
次のインポートは react-router-dom
からです。Routeをインポートし、アプリのURLとレンダリングしたいコンポーネントをマッチさせます。
ReactRouterに続いて、Ionicをimportします。Reactでコンポーネントを使用する前にimportする必要があります。Ionicの場合、ButtonやCardを使いたい時はいつもimportしなければなりません。Appコンポーネントの場合は、 IonApp
、 IonRouterOutlet
、および IonReactRouter
を使用します。
IonReactRouter
は、ReactRouterのBrowserRouterコンポーネントをラップするコンポーネントです。多少の違いはありますが、BrowserRouterと同じように動作します。これらの違いについては、 React Navigation Docs で詳しく説明しています。
最後の重要なインポートは Home
コンポーネントのインポートです。これは、このアプリケーションでナビゲートできるコンポーネントです。ナビゲーション部分については、後で説明します。
CSSのimportはIonicからpaddingやtypographyなどのユーティリティスタイルを取り込んでいます。
すべてのimportを確認したので、続いてReact Componentを初めて見てみましょう。
const App: React.FC = () => (
<IonApp>
<IonReactRouter>
<IonRouterOutlet>
<Route path="/home" component={Home} exact={true} />
<Route exact path="/" render={() => <Redirect to="/home" />} />
</IonRouterOutlet>
</IonReactRouter>
</IonApp>
);
このReactコンポーネントは、アプリの初期ルーティングをセットアップし、アニメーションとレイアウトのためのいくつかの重要なIonicコンポーネントを含んでいます(IonRouterOutletとIonApp)。一見変わった書き方にみえますが、Reactではデータバインディングを行うために、値が中括弧 ({}
) で渡されることに注目してください。つまり Route
コンポーネントでは、 component
の値を以前の Home
コンポーネントに設定しています。これにより、Reactはその値が文字列ではなくコンポーネントへの参照であることを認識します。
note
ここで重要なのは、これらはすべて標準のReact DOMライブラリであり、カスタムの統合レイヤや変換ステップがないことです。
コンポーネントのスタイル
App
を変更することはあまりありません。これは、コンテナ・コンポーネントの基本的な例です。Routerのロジックでは、指定されたURLルートに一致するコンポーネントをレンダリングするだけです。すでに1つのコンポーネント/ルータが設定されているので、Home
コンポーネントを変更します。
現在、 Home
コンポーネントはこうなっています:
import { IonContent, IonHeader, IonPage, IonTitle, IonToolbar } from '@ionic/react';
import React from 'react';
const Home: React.FC = () => {
return (
<IonPage>
<IonHeader>
<IonToolbar>
<IonTitle>Ionic Blank</IonTitle>
</IonToolbar>
</IonHeader>
<IonContent className="ion-padding">
The world is your oyster.
<p>
If you get lost, the{' '}
<a target="_blank" rel="noopener" href="https://ionicframework.com/docs/">
docs
</a>{' '}
will be your guide.
</p>
</IonContent>
</IonPage>
);
};
最初の App
コンポーネントと同じように、特定のIonicコンポーネントのimport、Reactコンポーネントのimport、そしてReactコンポーネント自体のimportがあります。
IonPage
は、すべてのページ(ルート/URLを持つコンポーネント)のベースコンポーネントであり、Header、Title、Contentコンポーネントなど、フルスクリーンコンポーネントの一般的な構成要素を含んでいます。
note
独自のページを作成するときは、 IonPage
をそのルートコンポーネントにすることを忘れないでください。 IonPage
をルートコンポーネントにすることは、トランジションが正しく動作することを保証し、Ionicコンポーネントが依存するベースCSSを提供するために重要です。
IonHeader
は、ページの先頭に存在することを意図したコンポーネントです。IonHeader
自体は、いくつかのflexboxのレイアウトを処理する以外は、ほとんど何もしません。これは、IonToolbar
や IonSearchbar
などの他のコンポーネントを保持するためのものです。
IonContent
はその名の通り、私たちのページのメインコンテンツ領域です。ユーザーが操作するスクロール可能なコンテンツと、アプリで使用できるスクロールイベントを提供する責任をもっています。
私たちの現在のコンテンツは比較的シンプルが、実際のアプリで使えるようなものは何も含まれていません。
note
簡潔にするために、他のコンポーネントの関数宣言やimport文など、コンポーネントの繰り返し部分を除外しています。
<IonPage>
...
<IonContent>
<IonList>
<IonItem>
<IonCheckbox slot="start" />
<IonLabel>
<h1>Create Idea</h1>
<IonNote>Run Idea by Brandy</IonNote>
</IonLabel>
<IonBadge color="success" slot="end">
5 Days
</IonBadge>
</IonItem>
</IonList>
</IonContent>
</IonPage>
この IonContent
では、 IonList
と、さらに複雑な IonItem
コンポーネントを追加します。ここでは IonItem
を中心に見ていきます。
<IonItem>
<IonCheckbox slot="start" />
<IonLabel>
<h1>Create Idea</h1>
<IonNote>Run Idea by Brandy</IonNote>
</IonLabel>
<IonBadge color="success" slot="end">
5 Days
</IonBadge>
</IonItem>
ItemはReactの概念とWeb Componentの概念が混在していることを明確に示す重要な要素です。Reactの概念の最初の明確な例は、 IonCheckbox
のReactコンポーネントの自己終了タグです。これは、子コンテンツを含まないコンポーネントを記述する単純な方法です。
Webコンポーネント側には、 slot
という特殊な属性があります。これは、レンダリング時に IonItem
に IonCheckbox
を配置する場所を知らせるためのキーです。これはReact APIではなく、Web標準APIです。
Ionic Frameworkの別のコンポーネントであるFAB(フローティング・アクション・ボタン)を見てみましょう。FABは、アプリケーションの他の部分よりも上位のメイン・アクションを提供する優れた方法です。このFABには、FAB、FABボタンおよびアイコンの3つのコンポーネントが必要です。
import { add } from ‘ionicons/icons’;
…
<IonContent>
<IonList>
...
</IonList>
<IonFab vertical="bottom" horizontal="end" slot="fixed">
<IonFabButton>
<IonIcon icon={add} />
</IonFabButton>
</IonFab>
</IonContent>
メインの IonFab
では、縦方向と横方向の属性(vertical/horizontal)で表示位置を設定しています。また、slot属性を使用して、レンダー位置を"fixed"に設定します。これにより、 IonContent
内のスクロール可能なコンテンツの外側でレンダリングするよう IonFab
に指示します。
Now let's wire up a click handler to this. What we want to do is when we click the button, we'll navigate to a new page (which we'll create in a moment). To do this, we'll need to get access to React Router's useHistory
hook API. Thankfully the useHistory
hook makes this easy since it can be imported from the react-router package.
import { add } from 'ionicons/icons';
import { useHistory } from 'react-router';
...
const Home: React.FC<RouteComponentProps> = () => {
const history = useHistory();
return (
<IonPage>
<IonHeader>...</IonHeader>
<IonContent>
<IonList>...</IonList>
<IonFab vertical="bottom" horizontal="end" slot="fixed">
<IonFabButton onClick={() => history.push('/new')}>
<IonIcon icon={add} />
</IonFabButton>
</IonFab>
</IonContent>
</IonPage>
);
}
export default Home;
コンポーネント宣言では、RouteComponentProps
型 (react-router
からimport)の props
を渡しています。この props
オブジェクトは、React Routerから履歴APIへのアクセスを提供し、新しいルートをナビゲーション・スタックにプッシュできるようにします。IonFabButton
では、クリックハンドラーを追加し、 props.history.push
を呼び出して新しいルートを渡すだけです。この場合は、 new
に移動します。
<IonFabButton onClick={() => props.history.push('/new')} >
新しいRouteの作成
これで、アプリケーション内をナビゲートするための環境が整ったので、新しいコンポーネントを作成し、新しいrouteをルーターの宣言に追加する必要があります。 App.tsx
を開いて、 new
のrouteを追加します。
...
import Home from './pages/Home';
import NewItem from './pages/NewItem';
...
const App: React.FC = () => {
const isAuthed = true;
return (
<IonApp>
<IonReactRouter>
<IonRouterOutlet>
<Route path="/home" component={Home} />
<Route path="/new" component={NewItem} />
<Redirect exact from="/" to="/home" />
</IonRouterOutlet>
</IonReactRouter>
</IonApp>
);
}
export default App;
ルータにroute /new
のエントリが追加されたので、必要なコンポーネント NewItem
を作成します。これは src/pages/NewItem.tsx
にあります。
とりあえず、 NewItem.tsx
にプレースホルダの内容を入力してみましょう。
import { IonBackButton, IonButtons, IonContent, IonHeader, IonPage, IonTitle, IonToolbar } from '@ionic/react';
import React from 'react';
const NewItem: React.FC = () => {
return (
<IonPage>
<IonHeader>
<IonToolbar>
<IonButtons slot="start">
<IonBackButton />
</IonButtons>
<IonTitle>New Item</IonTitle>
</IonToolbar>
</IonHeader>
<IonContent></IonContent>
</IonPage>
);
};
export default NewItem;
note
Each view must contain an IonPage
component. Page transitions will not work correctly without it. See the IonPage Documentation for more information.
ここの内容は非常に単純で、 Home
コンポーネントに似ているはずです。新しいのは IonBackButton
コンポーネントです。これは、前のルートに戻るために使用されます。まっすぐ前に?では、ページをリロードしたらどうなりますか?
この場合、メモリ内の履歴が失われるため、戻るボタンが消えます。これに対処するには、 defaultHref
属性値を、履歴がない場合にナビゲートするURLに設定します。
return (
<IonPage>
<IonHeader>
<IonToolbar>
<IonButtons slot="start">
<IonBackButton defaultHref="/home" />
</IonButtons>
<IonTitle>New Item</IonTitle>
</IonToolbar>
</IonHeader>
<IonContent />
</IonPage>
);
ここでリロードすると、アプリの履歴がなければ、ホームルートに戻ることができます。
Adding Icons
Ionic React comes with (https://ionic.io/ionicons/) pre-installed. All you need to do is import the icon of your choice from the ionicons
package, and pass it to an IonIcon
component through the icon
prop:
import React from 'react';
import { IonButton, IonContent, IonIcon } from '@ionic/react';
import { camera } from 'ionicons/icons';
export const IconExample: React.FC = () => {
<IonContent>
<IonButton>
<IonIcon icon={camera} />
Take Picture
</IonButton>
</IonContent>;
};
Note that for React, we are passing the imported SVG reference, not the icon name as a string.
Developers also have the option of setting different icons based upon the mode:
import React from 'react';
import { IonButton, IonContent, IonIcon } from '@ionic/react';
import { logoAndroid, logoApple } from 'ionicons/icons';
export const IconExample: React.FC = () => {
<IonContent>
<IonButton>
<IonIcon ios={logoApple} md={logoAndroid} />
</IonButton>
</IonContent>;
};
Build a Native App
UIコンポーネントやナビゲーションなど、Ionic Reactアプリの基本的な部分はすでに完成しています。Ionic Frameworkのコンポーネントの素晴らしいところは、iOS、Android、PWAを含むどこでも動作することです。モバイル、デスクトップ、その他にもデプロイするために、Ionicのクロスプラットフォームライブラリ Capacitor を使用することができます。一貫性のあるWebに特化したAPIセットを提供することで、 Web標準をサポートするプラットフォーム上の豊富なネイティブデバイス機能にアクセスしながら、アプリケーションを可能な限りWeb標準に近づけることが可能になります。
ネイティブ機能を追加するのは簡単で、最初にプロジェクトにCapacitorを追加します:
ionic integrations enable capacitor
次に、プロジェクトをビルドしてから利用するプラットフォームを選択します:
ionic build
ionic cap add ios
ionic cap add android
iOSとAndroidのプロジェクトを開いたり、ビルド、実行するのに、ネイティブのIDE(Xcode と Android Studio)を使います:
ionic cap open ios
ionic cap open android
詳細は こちら をご覧ください。
次に、 すべての利用可能なAPIs を確認します。Camera API を含むすばらしい機能があります。以下の数行のコードでカメラ機能を実装することができます¥:
import { IonContent, IonHeader, IonPage, IonTitle, IonToolbar, IonButton } from '@ionic/react';
import React, { useState } from 'react';
import { Plugins, CameraResultType } from '@capacitor/core';
const Home: React.FC = () => {
const { Camera } = Plugins;
const [photo, setPhoto] = useState();
const takePhoto = async () => {
const image = await Camera.getPhoto({
quality: 90,
allowEditing: true,
resultType: CameraResultType.Uri,
});
setPhoto(image.webPath);
};
return (
<IonPage>
<IonHeader>
<IonToolbar>
<IonTitle>Ionic Blank</IonTitle>
</IonToolbar>
</IonHeader>
<IonContent className="ion-padding">
<img src={photo} />
<IonButton onClick={takePhoto}>Take Photo</IonButton>
</IonContent>
</IonPage>
);
};
export default Home;
次にすること
このガイドでは、Ionic Reactアプリの作成の基本、基本的なナビゲーションの追加、ネイティブアプリを構築する方法としてのCapacitorの紹介について説明した。ReactとCapacitorで完全なIonicアプリを作るには、First App guideを参照してください。
Ionicのコンポーネントの詳細は component API pages をチェックしてほしい。Reactの詳細については、 React Docs を参照ください。ネイティブ機能の構築を続けるには、 Capacitor docs を参照してください。
アプリ構築をお楽しみください! 🎉